顧問弁護士 (5) ~有事への対応~

これまでのコラムで述べましたように、顧問弁護士は、主に紛争の予防のためにご活用頂くべきものと考えています。
他方、従来より、顧問弁護士は、いざ裁判などが起きたときの保険のような意味合いで契約しておくという発想が持たれていた節があります。
もちろんそのような側面も多いにありますので、その点について詳しく述べます。

ビシネスをしていると、トラブルがまったく生じないということはありえません。それが、話し合えばわかる、というレベルであれば弁護士を雇う発想には至らないかもしれませんが、ビシネスが成長するにつれて取引やステークホルダーも増え、必ず自力では解決できない事態というのがやってきます。例えば、御社は話合いで済ませたいと思っていても、相手が訴訟を起こしてきたら、弁護士を雇って対応せざるをえません。また、売掛先に倒産の噂が流れるかもしれません。

そのようなときは緊急事態であり、速やかに弁護士に依頼しなければなりません。

このとき、顧問弁護士がいないと、まずは信頼できる弁護士を探すところから始まります。また、信頼できそうな弁護士が見つかっても、弁護士の顔色を伺いながら、御社の事業について基本的な理解をしてもらうところから始めなければなりません。また、状況を説明した結果、その弁護士が責任もって受任してくれるかどうかもわかりません。ただ面識かあるだけの弁護士ですと、個別案件を受けないこともままあります。

この点、顧問弁護士であれば、普段から御社の相談を受けていますので、事業内容などについて一から説明する必要はなく、単刀直入に懸案に入っていうことができます。また、もともとの信頼関係がありますので、この弁護士で大丈夫だろうか、などと心配することもありません。そして、顧問弁護士は有事の際は責任をもって対応することをコミットしていますので、必ずきちんと助けてくれます(但し、中には、専門外であるなどと言ってたらい回しにする弁護士もいます…)。

このように、顧問弁護士は、有事の際に頼り甲斐がある存在です。

とあるアンケートでは、いざというときに相談できる弁護士がいますか、という問いに対し、イエスと答えた中小企業は2~3割とのことでした。そのような状態では、率直に申し上げて、会社や従業員を守ることはできないと思います。逆にいえば、顧問弁護士を擁することで、リスク管理において他社の先を行くことができ、ひいてはこの厳しい社会で生き残ることができることになります。