弁護士の専門性~日本~

以前、海外、特にアメリカの弁護士は専門化が進んでいるというお話をしました。今回は、日本国内の弁護士の専門性、あるいは得意分野についてお話します。

弁護士の職務領域のうち、交通事故、債務整理、近隣紛争などの一般民事事件、相続、離婚などの家事事件、被告人を弁護する刑事事件などが、伝統的な業務といえます。地方の弁護士の多くは、こうした業務を中心に行っています。東京や大阪にも、同じようにこうした業務を中心としている弁護士はたくさんいます。

こうした弁護士は、従来、何でも対応するジェネラリストが多かったのですが、最近では、少し前に流行した債務整理専門事務所を初めとして、離婚専門、交通事故専門などとうたう事務所も増えてきました。

当事務所を含め、東京や大阪を中心とした都市の事務所は、こうした伝統的業務に加え、あるいはそれに代わり、企業法務、ビジネス法務を中心に扱っています。

ビジネス法務の中身は、日常的な契約書のレビューに始まり、その業態によって、会社関係法、特許、商標、著作権などの知的財産権、IT関連法、不動産関係法、金融関連法、独占禁止法、消費者保護法など、極めて多岐にわたります。そして、弁護士の得意分野も細分化する傾向にあります。

ちなみに当事務所は、ビジネス法務を全体的にカバーしつつも、海外企業との販売店契約、代理店契約、合弁契約、ライセンス契約などの国際取引を含めた海外展開支援を得意としています。

アメリカなどでは、法体系の複雑さや弁護士市場の過当競争から、極度に専門化した弁護士が多く、それが一般的ともいえますが、日本では、法体系がひとつであり、制定法主義ゆえに情報へのアクセスが比較的容易であること、クライアントも何でも相談できる弁護士を望む傾向にあることなどから、専門化でありつつもジェネラリストである、ということが可能な環境にあるといえます。