弁護士の専門性~欧米との違い~

弁護士です、と自己紹介をすると、ご専門は何ですか?とよく質問されます。
私は、国際取引や海外進出支援と答えることが多いのですが、実はこれはなかなか難しい問いなのです。

もちろん日本の弁護士にも、特定の分野に特化している者はいますが、全体的には、いわゆるジェネラリストで専門という専門がない弁護士が圧倒的に多いのです。
私も、クライアントがお困りであれば、案件の種類によらずできるだけ対応させて頂く方針ですので、その意味でジェネラリストです。
その中でも、国際案件については、他の一般的な弁護士がなかなか対応できないものでもあり、強みとしてご説明しています。
専門というと、他の案件は対応しないような印象となってしまいますが、そうではありません。
その意味で、国際取引については、専門というより、得意分野といった方が正確かもしれません。

欧米、特にアメリカの弁護士は、極度に専門化しており、何でも相談できるジェネラリストを探すのは至難です。彼らは、自分の専門外の問題については、専門外だからとハッキリ述べて受任しません。
これは司法制度や文化の違いに大きく影響されています。日本では、最高裁判所を頂点としたひとつのピラミッドがあるだけで、法制度としても一つの体系しかありません。これに対してアメリカでは、50の州とワシントンDCがそれぞれ独立した法体系となっており、しかも判例法主義といって、下級審も含めた裁判例の持つ意味合いが重く、従ってどの分野についても情報量が膨大になります。
また、よく言われるようにアメリカは訴訟大国ですが、これは弁護士とクライアントについてもいえることで、弁護士が弁護士過誤で訴えられることは珍しくないため、弁護士は専門分野以外には触れたがらない傾向にあります。
さらに、特にアメリカは弁護士の数が多く、競争が激しいため、専門性を高めて差別化を図らないと生き残れないという現実もあります。

これに対して日本では、ジェネラリストであっても、勉強によってカバーできる範囲が広いといえますし、クライアントの多くも、特定の分野しか相談できない弁護士より、とりあえず何でも相談できる弁護士を望む傾向にあると感じています。そして、私も、そうしたニーズに答えられるよう、分野を問わずに見識を広める努力をしています。

特に顧問弁護士のように日頃から付き合う弁護士は、そのように何でも相談できるほうが使い勝手がよいと思います。