渉外弁護士とは?国際弁護士との違いや業務について

渉外弁護士とは?

渉外弁護士と国際弁護士の違い

一般に渉外弁護士と呼ばれる弁護士がいます。

「渉外」とは、辞書によれば①外国を含む外部と連絡・交渉すること、または②ある法律事項が内外国に関連を有すること、とされ、弁護士については、外国あるいは外国法が関係する業務を扱う弁護士を意味します。

最近は、国際弁護士という呼び方も親しまれていますが、ほぼ同じ意味と考えてよいです。

いずれも正式な名称というわけではなく、便宜上の名称です。

なお、慣例上ではありますが、法律事務所について渉外系、渉外事務所という場合は、渉外つまり国際案件ばかりを取り扱っている法律事務所を意味する場合が多いです。

その意味では、当事務所は生粋の渉外事務所ではなく、渉外案件も取り扱う総合事務所となります。

渉外弁護士の定義と種類

渉外弁護士はいくつかのカテゴリーに区別できます。

国際弁護士という場合も同様です。

広義では、弁護士の資格の区別にかかわらず、およそ渉外案件を扱っている弁護士を意味します。

これには、日本の弁護士資格のみを有しつつ渉外案件を扱っている弁護士や、外国法事務弁護士(日本の弁護士資格はないが、外国における弁護士資格を有し、当該資格国の法律についての業務をする弁護士)も含むことになります。

他方、狭義では、日本の弁護士資格に加え、外国の弁護士資格も有しており、それを活用して渉外案件を扱っている弁護士です。

慣例的には前者を意味することが多いかもしれません。

渉外弁護士に求められるスキル

渉外案件では、共有言語はほとんど英語ですので、英語に精通していないといけません。

英語を母国語とする人たちとも対等に渡り合うには、かなりの訓練が必要となります。

そのため、渉外系の法律事務所では、多くの弁護士が外国のロースクールなどに留学しています。

渉外弁護士の業務とは?

渉外弁護士の業務は多岐に亘ります。

日本の企業と外国の企業との間の取引に関する契約につきドラフトや交渉を行う業務が一番多いと思います。

渉外弁護士が担当する契約の種類

契約の種類は様々で、秘密保持契約、売買契約、販売店契約、代理店契約、生産委託契約、フランチャイズ契約、ライセンス契約などがよく見かけるものです。

言語はほとんどが英語ですまた、契約の準拠法が外国法になる場合は、当該国の法律を調べるべきケースもあります。

渉外弁護士の仕事内容

海外への進出サポート

・日本企業⇛外国進出のサポート

日本の企業が外国に拠点を設ける場合のサポートもします。

この場合は、通常は現地の弁護士と協力し、日本側の窓口となって対応します。

当然、進出国の法律が必然的に関わってきます。

・外国企業⇛日本進出のサポート

逆に、外国の企業が日本に進出するインバウンドのサポートもあります。

会社の設立から、人事体制や契約書の整備などをします。

日本の法律や慣行が特殊であることもよくあります(特に労務)ので、わかりやすく説明する必要があります。

拠点を設ける場合は、現地企業など複数名が株式を持ち合う合弁となることもあり、合弁契約のドラフトと交渉が必要となります。

M&A(買収)の契約・交渉

M&A、つまり既存の会社を買収する場合は、おそらく最も作業が多くなります。

秘密保持契約、そして基本合意書を交わした後、対象会社についてデューディリジェンスを行い、その結果を踏まえた株式譲渡や事業譲渡契約をドラフト、交渉します。

これらもアウトバウンド、インバウンド、それぞれのケースがあります。

国際的な紛争解決

国際的な紛争解決も渉外弁護士の仕事です。

代金を払わない、製品に問題がある、M&Aにおける約束が違う、などという場合、当事者が多国籍ですと、単に東京で裁判をすればよいというわけにはいきません。

外国の裁判所での裁判に対応せざるを得ない場合もあります。

国際取引では、仲裁という制度が紛争解決において活用されますが、これも特殊なノウハウが求められます。

まとめ

こうした業務について、外国の情報や現地対応への協力を得るには、各国の渉外系弁護士とのネットワークが必要となります。

そのため、国際的な法曹団体が開催するイベントなどに参加し、人間関係を構築することが重要です。

このように、渉外弁護士が行う業務は多岐にわたり、また時差を超えて対応しなければならないことも多いため、極めて多忙になります。

大手渉外法律事務所の弁護士の給与は初年度からかなり高いといえますが、時給に換算したら相応ではないかと思います。